すぐ席を動かないのは“気遣い”?

 満員電車がある駅に着き、どっと乗客が降りる。向かいの7人掛けの座席に隣りあって座った2人だけがとり残される、といった状況ができることがある。たとえば中年の男と若い女。むろん知り合いではない。

 空いたあとすぐに女性が離れればいいのに、タイミングを失うともう難しい。男はそんな状態を嫌がっていないフシがあるから、女性のほうが離れるしかないのだ。

 わたしはこっち側に座っていて考える。

 あれは、女性がすぐ席を離れると、相手の男を嫌がってるようで悪いと思うのだろうか、と。そういうことが日本人には、あるのである。

 怪しい相手はきっぱり断る、無関係な相手からはすぐ離れる、ということができるようになることが必要だと思う。それは失礼なことでもなんでもない。

 まだ現在はある事情があって継続しているが、わたしはそのうち固定電話(執拗な売り込みの電話ばっかりだ)も新聞もやめるつもりである。考えてみれば、必要性よりも、ただの惰性で継続しているだけだ。

 そうするとわたしの通信手段は、Eメールだけになる(あとは公衆電話。現在、テレフォンカードを持っている人間は少ないだろう)。もちろん、それで問題はない。