ふるさと納税返礼品の定番のひとつである高級牛肉。今後、こうした食材を含め、“値上げ”が相次ぐ見通しだ(写真:アフロ)

ふるさと納税は、好きな自治体への寄付を通して実質2000円の自己負担で地域の特産品などの返礼品がもらえるお得な制度。コロナ禍の“巣ごもり需要”が追い風となり、寄付の受け入れ額、受け入れ件数ともに2020年度、21年度と過去最高を更新。22年度も前年度を上回る見通しとなっている。年収に応じて利用に上限があるため、その年の収入が確定する年末に“駆け込み寄付”が殺到するのが常だが、こと今年に限っては早めの寄付がお得だという。その理由は?

(森田 聡子:フリーライター・編集者)

デパート並みの“品揃え”

 ふるさと納税は、自分の故郷や応援したい自治体などに使い道を指定した上で寄付ができる制度だ。1年を通した寄付額から自己負担の2000円を差し引いた額が、寄付した年の所得税と翌年の住民税から控除される。

 多くの自治体では寄付をしてくれた人に対し、寄付額の3割相当額までの返礼品を送付している。地域の特産品を集めた返礼品は食品や家電製品から旅行、現地での体験型イベントへの参加券などまでデパート並みの“品揃え”があり、返礼品目当ての寄付が多勢を占める。

 ただし、青天井に制度が利用できるわけではなく、控除を受けられる寄付額には上限がある。上限額は、寄付する人の年収や家族構成などによって変わってくる。上限額を超えて寄付をすることも可能だが、その場合は自己負担が増えてしまう。

 多くの人が「ふるさとチョイス」や「楽天ふるさと納税」といったふるさと納税のポータルサイトを通して寄付を行っており、こうしたサイトの上限額のシミュレーション機能を利用すれば、おおよその上限額を確認しておくことができる。

 基本的に、高給取りの高額納税者ほど上限額が高くなる。専業主婦の妻と大学生・高校生の子供2人を扶養する会社員を例に取ると、年収1000万円なら上限額14万4000円、1500万円なら36万1000円、2000万円なら53万6000円が目安になるといった具合だ(総務省「ふるさと納税ポータルサイト」より)。