「地方の実家で暮らす高齢の親のことが気になるが、忙しくてなかなか様子を見に行けない」といった悩みを抱える人は少なくない。普段から疎遠気味だった親子関係が、コロナ禍の3年間でさらに距離ができたという人もいるだろう。しかし、「自立して生活できているから大丈夫」と高齢の親を放置しておくのはやめた方がいい。将来的には自分が相続する親の財産が、食い物にされているかもしれないからだ。高齢者の財産を狙う4つの危険因子について解説しよう。
(森田 聡子:フリーライター・編集者)
「高齢者世帯」の比率が初の3割超え
厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、65歳以上の高齢者のみか、高齢者と18歳未満の子供だけの「高齢者世帯」が2022年6月の調査で31.2%となり、初めて3割を超えた。
都市部で生活している地方出身者の方だと、実家には高齢の親だけが暮らしているというケースが多いのではないだろうか。
仕事や子育てに追われる毎日を過ごしていると、離れて暮らす親のことは二の次になりがちだ。特にコロナ禍で移動が制限されたこともあり、丸2年以上様子を見に行けなかったという話もよく聞く。
しかし、忙しさにかまけて親のことを放置しておくと、知らないうちに親がとんでもないトラブルに巻き込まれている可能性がある。近年、高齢者の資産が食い物にされるケースが急増しているからだ。
高齢者支援に携わるベテランのファイナンシャルプランナー(FP)が指摘してくれたのは、以下の4つのリスクだ。