東京・上野にある国立科学博物館も物価高に悩まされている(写真:アフロ)

国内唯一の国立総合科学博物館「かはく」こと国立科学博物館が運営資金確保のため8月7日から目標額1億円のクラウドファンディングをスタートさせた。受付開始から9時間半で目標をクリアし、開始3日目には5億円の大台に乗せる驚異的な人気で話題を呼んでいる。かはくのクラウドファンディングの成功は、単にかはくの窮地を救うだけではない。国公立ミュージアムの在り方を見直す契機となる可能性も秘めている。

(森田 聡子:フリーライター・編集者)

深刻な資金難に陥っていた「かはく」

 近年急増しているクラウドファンディングは「Crowd(群衆)」と「Funding(資金調達)」を組み合わせた造語で、文字通り、インターネットなどを通して不特定多数の人から活動資金を募ることを指す。

 クラウドファンディングには寄付型、購入型、融資型、株式投資型などの種類がある。見返りを期待しない純粋な寄付から、出資することで分配金や成長企業の株式を得る投資色の濃いクラウドファンディングまで様々だ。

 利用者からすれば、従来なら出資を受けることが難しい小さな事業や地味なプロジェクトであっても資金調達の道が開ける。一方で、出資者は手軽に社会貢献や出資ができ、案件によってはリターンが得られたり、寄付額が控除されたりするメリットがある。

 多くのクラウドファンディングは専門サイトを通して募集を行う。自治体と連携することで、ふるさと納税のスキームを使ったクラウドファンディングを実施することも可能になっている。

 今回、国立科学博物館(以下、かはく)がクラウドファンディング実施に踏み切った背景には、深刻な資金難があった。