大衆が抱くイメージとかけ離れた肖像画

「南原市の委託を受けて肖像画制作を主導した南原文化院は、これまで肖像画公開を先送りしてきたが、奉安式の際に初めて外部に公開された。春香肖像画製作に所要された予算は1億7000万ウォン余りで、画家には1億2000万ウォンが支給されたと伝えられている。

 ベールを脱いだ肖像画に、好奇心に勝てずに近づいた出席者の間からはため息が漏れてきた。それ以降、撮影された写真などにより肖像画の姿が市民社会に知れ渡っていくと、“これはいったい何のことだ!”という反応が異口同音のように沸き起こった」

「原因は新しく描かれた春香の肖像が中性的な容貌の40~50代女性と見えるためだ。市民たちは叱責を越え、異口同音で描き直さなければならないという声を出している」(『新全北新聞』6月11日の記事、<“春香の顔がどうした?”春香の新肖像画論難>)

 下の画像の左側が2020年までかけられていた肖像画、右が今回あらたに描かれた肖像画である(註:外部配信先でご覧になれない方はJBpressのサイトでご覧ください)。

左が2020年に撤去された「春香」の肖像画、右が新しく書き直された肖像画(韓国のニュース番組・チャンネルAより)

 同紙によると、関連市民団体は近く記者会見を開き、新しい肖像画の誤った点を指摘し、再製作を促す立場を明らかにする予定だという。参考までに触れておけば、小説の中で描かれている春香の年齢は17歳だ。

 文在寅政権が政界を去り、尹錫悦政権に代わったことで、韓国社会の「ノージャパン」の叫びは跡形もなく消え、親日狩りの熱風もまた雲散霧消した。ただ尹錫悦政権の後に、またも政権交代となり、共に民主党政権が発足することになれば、その時は再び反日熱風が韓国社会を襲うかもしれない。もしかしたら、今度は親日画家の肖像画が使われた貨幣の「改革」を含む大々的な親日清算運動が起きるかもしれない。