まさに、謁見する皇帝様と、傅(かしず)く外国使節の構図だった――。
会うのか、会わないのか、と二転三転した習近平主席とアントニー・ブリンケン米国務長官の会談は、6月19日午後に、わずか30分だけ実現した。
習近平の独演会を拝聴する米国務長官
最初の写真撮影の握手姿では、習主席はぶんむくれた表情で、笑顔もない。そして撮影が終わると、向かって右手から係員の男性がサッと駆けつけ、習主席が座る中央の「皇帝席」の椅子を恭しく引いた。
無表情でどかっと座る習主席。ブリンケン国務長官はと言えば、向かって左手の下がった「臣下席」に、そそくさと座った。
そこから、習近平主席の「独演会」が始まった。ブリンケン国務長官は、両手を膝に置いたまま、畏(かしこ)まって聞いている。