弱腰過ぎたブリンケン訪中、米下院外交委が国務長官召喚へ
スパイ気球、キューバ諜報施設、台湾脅迫に対する外交姿勢追及
2023.6.21(水)
高濱 賛
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バイデンの対中政策が俎上に
バイデン政権は、アントニー・ブリンケン国務長官の訪中で米中閣僚の相互往来を含む高官対話を再開する方向に舵を切った。
その延長線上には習近平国家主席の11月訪米がある。「世界のステーツマン」であることを誇示したい習近平氏にとっても渡りに船だろう。
習近平氏は、11月にサンフランシスコで開かれるアジア太平洋経済協力首脳会議(APEC)に出席、その際にジョー・バイデン氏との首脳会談を持ちたいとの意向のようだ。
一方、ジョー・バイデン大統領も米国内で米中首脳会談を実現し、再選に弾みをつける戦略を秘かに目論んでいるという。
現実的な外交では、中国とロシアの二正面展開を避けたい米国、政治的、軍事的、経済的封じ込めを打開して経済回復を急ぎたい中国――。
バイデン氏と習近平氏の虚々実々の思惑が交錯する中で、露払い役のブリンケン氏訪中の役割は、米メディアの報道による限り一応成功したかに見える。
(Secretary Blinken’s Meeting with People’s Republic of China State Councilor and Foreign Minister Qin Gang - United States Department of State)
(Blinken held 'candid' talks with Chinese foreign minister in Beijing - Nikkei Asia)
(After Months of Cold Shoulder, China Welcomes Antony Blinken to Beijing - WSJ)
もっとも、当初からブレークスルーは期待されていなかった。期待度が低いだけ、失点も目立たなかった。
バイデン政権としてはこの後、ジャネット・イエレン財務長官、ジーナ・レモンド商務長官、ジョン・ケリー気候問題特使を北京に送る一方、秦剛外相をワシントンに招いて米中首脳会談の道筋を作る算段だ。