(写真:長田洋平/アフロ)

 日経平均が33年ぶりに最高値を記録するなど歴史的な活況をみせている日本の証券市場に、実は韓国の個人投資家も殺到している。

 最近、韓国から海外の証券市場に対する売買件数と買い越し規模の双方で、日本が香港と中国を抜いてアジアNo.1に上がったと報告された。日本の証券市場に対する韓国からの投資が香港と中国を超えたのは、統計がとられはじめた2011年以後初めてのこと。韓国内の「イエス・ジャパン」現象が経済分野にも浸透してきたと言えるだろう。

為替差益を狙った米国債への投資から日本株投資へ

 韓国内の証券関連預託と決済業務を担当する「韓国預託決済院」(KSD=日本の預金保管振振機構[JASDEC]に当たる)によると、今年5月の1カ月間、韓国人が日本株を買い越した規模は計3441万7000ドルにのぼる。6月にも15日までにすでに1851万3600ドルを買い越した状態で、最近2カ月間の買い越しの合計は約5293万1000ドル。これは前の2年分(2021年4月~今年4月)よりも多い水準で、歴代最高だという。

 一方、香港(-5640万ドル)、中国(-2326万ドル)は売りが買いを上回る「売り越し」となっている。韓国人の海外株式保有額が分かる「株式保管金額」を見ても、日本証券市場は今年第2四半期で31億4454万ドルと、香港(20億7596万ドル)、中国(14億831万ドル)を上回っている。

 ただ、韓国投資家の海外投資先のトップは依然として米国証券市場で、日本への投資額は米国(610億128万ドル)の5%ほどにとどまっている。

 韓国で日本証券市場ブームが起きたのは2022年8月頃からだ。世界的に金融引き締めが行われる中で、日本だけがそれまでの金融緩和政策を持続したせいで円安傾向が本格化。そこで為替差益を狙った投資商品が韓国でも人気を集め始めた。

 具体的には、「米国債20年超ETF」や、「インデックスファンドNASDAQ100」など、日本円で米国の株に投資する商品が大人気となったのだ。