模倣された『アメトーーク!』

 このテーマに関しては、議論百出、諸説紛々だと思います。コロナ禍の巣ごもり生活で、NetflixやAmazon Prime Videoといった配信型コンテンツの面白さを知ったことが背景の一つにあるようですが、誰もが同意する決定的な正解はありません。私なりに考えているのは「おしゃべり」が多過ぎるということです。

 トーク番組は1つのスタイルとして確立していますが、トーク形式の番組が多いわりに感情や知的好奇心を刺激するようなものは限定的です。厳しい言い方をすれば、単なる「おしゃべり」ばかりで訴求力に欠ける番組が多いように感じます。

 私見ですが、テレビ朝日の『アメトーーク!』が若者を中心に人気を博したことが、「トーク形式」番組の急増のきっかけになったのではないかと考えています。

 私がテレビ朝日の新卒採用に関わっていた際に、学生の一番人気の番組は『アメトーーク!』でした。

「どこが面白いのか?」と尋ねると、「テーマ設定」「芸人のキャラクターが引き出されていること」といった理由を挙げる人が多かったと記憶しています。

 その面白さは学生だけでなく、番組制作に関わる人たちも同様だったはずで、結果として似たようなスタイルの番組が続々と生まれていったのではないでしょうか。

 人気や好感度が急上昇した人物をどこの放送局も使いたがるのと同じように、ヒットした番組を真似るのは、ある意味で必然なのかもしれません。