本堂は「釈迦堂」と呼ばれる善光寺世尊院(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

神社やお寺で手に入れるお馴染みの御守も、ついに宇宙時代へ——。世界ではイーロン・マスク氏が率いる米スペースX社が有名だが、日本でも民間での宇宙開発が進む。そんな中、「宇宙金箔御守」なる商品が、長野市の善光寺世尊院(釈迦堂)で今月26日から発売になる。手掛けるのは都内に本社を置くベンチャー企業。宇宙に関するスモールビジネスも現実のものになってきた。

(富岡 悠希:ジャーナリスト)

スウェーデン宇宙公社のロケットに搭載

「宇宙金箔御守」とは、ロケットに搭載して宇宙空間へ打ち上げ、無事地球に戻ってきた金箔が封入されているお守りだ。

 手掛けるのは、宇宙関連サービスを企画する1(ワン)株式会社(東京・千代田区)だ。2023年10月にスウェーデン宇宙公社(SSC)と契約し、SSCが打ち上げる「SubOrbital Express-4」ロケットに回収可能なオリジナルボックスを搭載。同社が様々なものをそのボックスに入れて、回収したものの一つが金箔だった。

 金箔を積んだ全長12.4m、重さ2761kgのロケットは11月26日、当初予定より4日ほど遅れて、スウェーデン北部にあるSSCのエスレンジ宇宙センターから発射された。高度256kmまで到達し約6分間の無重力状態を維持した後、大気圏に再突入した。

 その後、ボックスは地上で回収され、現地に向かった1(ワン)の前田和彦社長が受け取った。その金箔を使ったお守りが発売になる、というわけだ。

「宇宙金箔御守」はその特徴から、次の4つのご利益があるとする。

①ロケットが力強く上昇する姿に由来する、金運や運気などの上昇。
②ロケットの打ち上げが無事に成功したことに由来する、試験合格や夢の実現。
③ロケットに積んだボックスを安全に回収できたことに由来する、交通や旅行の安全祈願。
④ロケットが上空256kmまで上昇し、過酷な宇宙旅行を乗り越えたことに由来する、無病息災や長寿と幸福。

11月26日に発射されたロケット打ち上げの瞬間とロケットが宇宙に向かう様子(写真提供:スウェーデン宇宙公社)