打ち上げコスト低下でスモールビジネスも可能に
非営利としては、子どもたちの作文や絵画を写真に撮ったデータが入ったSDカードをボックスに入れた。営利目的としては、食塩にする塩や酒造りの原料となる麹、人気キャラクターのカード類やダイヤモンド・アメジストなどの宝石類を入れた。これらは「宇宙に飛ばした」という“箔付け”による付加価値を足した価格で、将来的に商品化するという。
ほかに、ビジネスパーソン向けに自分の名刺を宇宙に飛ばせる「名刺宇宙旅行」サービスを受け付けている。価格は1人あたり11万円(税込み)だが、複数人から申し込みがあった。その名刺も宇宙に打ち上げ、無事に戻ってきた。
今回のボックス回収の成功を踏まえ、今後も「宇宙宅急便」事業を継続する意向だ。SSCのロケットで2026年4月、第2回のサービス提供を予定している。
これまでは、宇宙ビジネスというとロケットや人工衛星の打ち上げ、宇宙ゴミの回収などのビッグプロジェクトが関心を集めてきた。しかし、技術の進歩や民間も交えた競争によってロケットの打ち上げコストが下がってきたことから、アイデアややり方次第ではスモールビジネスも可能になってきた。
この「宇宙金箔御守」は、そんな宇宙新時代の事例の一つと言えそうだ。