ニュース番組まで「おしゃべり」で構成される

 リアクションが上手な「お笑い芸人」が便利に使われて、潤滑油として番組が円滑に展開するのに重要な役割を果たしています。確かに、いいタイミングで気の利いた言葉を紡ぎ出せるのは貴重な存在です。

 しかし、あっちでもこっちでも同じようなトーク形式の番組ができると、さすがに満腹感があります。

 トークを通じて出演者の魅力を伝えるというよりは、内輪だけで楽しんでいる「おしゃべり」の番組が増えてしまったと感じています。『アメトーーク!』の二番煎じばかりでは、次第に飽きられる運命にあるのではないでしょうか。

「おしゃべり」はバラエティー番組だけではありません。早朝から夕方まで、各局が長時間編成しているワイドショーは「おしゃべり」で成り立っています。ワイドショーや一部のニュース番組は、昔に比べてVTR(映像)を流す時間が少なくなり、コメンテーターの意見を聞く時間が増えています。

「テレビ的ではない!」

 かつて私がニュース番組に在籍していた時、先輩から何度もこう諭されました。「テロップ」や「フリップボード」はニュースをわかりやすく伝えるための、文字を使った補助道具ですが、文字が多くなると「視聴者に見てもらえない」「テレビは文字ではなく映像で伝えるものだ」「そもそもテレビ的ではない」などと注意を受けたものです。