地域住民にも開放されている日本最大級の物流拠点

 中山間地域での視察・取材を終え、取材陣一行はバスで市街地に近い中央区の日本最大級の物流拠点へと移動する。相模湖インターチェンジから中央道、圏央道を走行しての長距離移動だ。同じ市内だというのに高速道路を利用するところに相模原市の広さを実感する。

 到着したのは、国内で約170棟の物流施設を開発・運営する日本GLP株式会社の最先端物流施設「GLP ALFALINK相模原」(2023年全棟竣工)だ。物流施設4棟、共用棟1棟で総延床面積は約68万4000m2。日本最大級の施設である。40社が入居し、地域と共生し、豊かな街づくりをというコンセプトで運営されている。

GLP ALFALINK相模原(筆者撮影)

 物流拠点というと閉鎖的なイメージが強かったが、ここは地域住民にも開放されているのが特徴だ。

 広い敷地内は住民の散歩コースとなり、マルチコートはフットサルなどの利用が絶えない。地域住民が参加してのイベントも開催されている。共用棟にあるカフェテリアも利用可能だ。そして、施設内にある託児所に置かれているテーブルや棚など家具類には津久井産の材木が使われている。施設は免震構造を採用し、地震の影響を最大4分の1に軽減するという。

 敷地内にはファミリーマートが営業しているが、店のバックヤードでは飲料の品出しをロボットが行っていた。店員の労力削減に寄与している。また、敷地内ではロボットが芝刈りを行っている光景も。近未来シーンが目の前で繰り広げられているのだ。

 日本GLPが相模原に日本最大級の拠点を構えた背景には、相模原ならではの立地ポテンシャルがある。地盤が強固で揺れにくいうえ、相模川との標高差が49mあり、洪水ハザードリスクが極めて低い。

 さらに、圏央道や東名道とのアクセスが良く、トラックドライバーの連続運転時間の限度である4時間で到達可能なエリアは15都県に及ぶ。同エリア内の人口は約5800万人だから、日本人口全体の46%にあたる。これだけの広域配送が可能となっているのだ。