リニア中央新幹線「神奈川県駅(仮称)」を建設中の「橋本駅」周辺

1市4町が合併して誕生した人口72万人の「相模原市」

 1956年に移行した大阪、名古屋、京都、横浜、神戸から2011年移行の熊本市まで、日本には政令指定都市(政令市)が全部で20ある。横浜、川崎に次いで2010年に神奈川県3番目(全国19番目)の政令市になったのが相模原市だ。人口は約72万人。失礼な言い方だが、地味で政令市としてのイメージがあまり湧いてこない。

 そんな相模原市が昨年度からメディア向けシティープロモーション活動に力を入れており、プレスツアーやメディア交流会などを開催している。

 今年も6月1日に「相模原の森林と物流から広がる“未来をつなぐ創業・産業を巡るプレスツアー”」が実施されたので筆者も参加してみた。その様子を紹介しながら、相模原市の現状と今後の可能性について探ってみた。

 まずは、現在の相模原市が誕生した経緯を振り返ってみよう。

 2006年に旧相模原市が津久井町、相模湖町と合併、翌年には城山町、藤野町と合併して2007年3月11日に今の相模原市となった。内陸工業都市と周辺の中山間地域が一緒になったわけだ。ということで市の面積約329km2の6割を森林が占め、海抜最高地点は1673m(蛭ケ岳山頂)となっている。

 今回のプレスツアーは、リニア中央新幹線駅の建設が進む橋本駅前からスタートした。

 まず訪れたのは津久井湖に近い緑区にある株式会社「つくい森林設計HALU」(代表取締役・齊藤理沙氏)が管理する山林だ。同社は森林資源の管理運営、木材の生産販売などを手掛けている。2021年創業、平均年齢30代という若い会社だ。