紅葉シーズンの秋山で遭難が続発している
山では秋の紅葉シーズンが本格化している。日没が早く、高所では降雪や凍結もみられるため、紅葉シーズンの遭難による死亡事故は夏山の2倍以上とも言われている。そうしたなか、10月に入ってから各地で山岳遭難が相次いでいる。登山者が多い長野県の主な遭難例をみてみよう。
【10月3日】北アルプス 爺ヶ岳(51歳男性/転倒、負傷)
【10月4日】北アルプス 白馬岳(79歳男性/滑落、死亡)
【10月7日】北アルプス 北穂高岳(72歳男性/滑落、死亡)
【10月12日】北アルプス 前穂高岳(72歳女性/滑落、負傷)
【10月15日】鬼面山(77歳男性、70歳女性/道迷い、無事救出)
【10月16日】大西山(61歳男性/滑落、死亡)
【10月22日】八ヶ岳 雨池山(59歳女性/疲労、無事救出)
【10月23日】北アルプス 前穂高岳(68歳男性/疲労、無事救出)
長野県警のサイトによると、秋山シーズンとなった9月1日から10月23日までの約6週間で67件の山岳遭難(きのこ狩りを含む)が発生し、10人が死亡している。10月16日の大西山の事故はNHK関係者が撮影を終え、下山途中に起きたものだ。10月下旬になっても八ヶ岳、北アルプス、小川山(ロッククライミングの人気スポット)などで遭難や転落事故が相次いでいる。
昨年(2021年)は9月から11月の秋山シーズンに、長野県内で92件の遭難が発生し、19人が死亡している。このほか、行方不明1人、負傷者38人が報告されるなど過去5年間で発生件数が最も多く、死亡者は2018年の25人に次いで多かった。今年も遭難件数はすでに70件近くとなっているので警戒が必要だ。
気になるのは遭難した時にかかる捜索や救援費用だ。発見しやすい稜線上で救援を待つといったケースから、道迷いや滑落で行方不明となってしまうケースなど状況によって大きく異なってくる。