ヤンキース井川慶は1年目の5月初旬にマイナー降格

 藤浪と同じ古巣の阪神からポスティングシステムを使って2006年12月に井川慶投手がニューヨーク・ヤンキースへ5年2000万ドルプラス出来高の契約で移籍した事例では、1年目の2007年シーズンにメジャー初登板から打ち込まれるなど先発、中継ぎともに不安定な投球が続き、同年5月7日に1度目のマイナー降格を言い渡されている。この事例と照らし合わせても、今の藤浪はかなり恵まれている。

 また、アスレチックスは5月13日に元横浜DeNAベイスターズのスペンサー・パットン投手をメジャー40人のロースター登録枠から外す「DFA」としたことを発表し、事実上の戦力外としている。パットンは4月にマイナー契約でアスレチックス入りし、5月4日にメジャー昇格を果たしたばかりだったが、藤浪がMLB初勝利を手にした5月12日のテキサス・レンジャーズ戦では5回に勝ち越し弾を被弾するなど4登板で計5回1/3を投げ、被本塁打2を含む4失点で防御率6.75と結果を残せなかった。

 とはいえ藤浪と比較すれば、だいぶマシのようにも思えてしまう。それでもアスレチックス側は今年2月で35歳となった中継ぎ専門のパットンよりも4月に29歳となったばかりの藤浪のほうが6歳も若く、先発要員だったことでロングリリーフも可能な点をストロングポイントと見て、まだ使い勝手がいいと判断したのだろう。

 しかもパットンは藤浪と違ってマイナー契約からのメジャー昇格で契約内容には自身に有利な条項が加味されておらず、結果を残せなければ球団側から「DFA」にされやすい立場だった。

 そしてもうひとつ、藤浪が3A降格を言い渡されていない理由として囁かれているのが、アスレチックスとのメジャー契約の内容だ。MLB関係者の間では「かなり有利な条項を付帯させているはず」と見られている。

 藤浪の代理人は「敏腕」として名高いスコット・ボラス氏。これまで数多くのMLBスーパースターを顧客に抱え、選手に有利な契約を締結させている。ボストン・レッドソックスの吉田正尚外野手もボラス氏の顧客の1人だ。