地元紙「サンフランシスコ・クロニクル」など米メディアの報道によれば、藤浪は試合後のクラブハウスのシャワールームで同僚たちから阪神時代には一度も味わうことのなかった「ビールシャワー」を浴びせられ、“ウォークオフ・グランドスラム”を放ったヒーローのルーカー同様に祝福されたという。

2012年4月、選抜高校野球でエースとして大阪桐蔭を初優勝に導き、インタビューを受ける藤浪晋太郎投手(写真:岡沢克郎/アフロ)

 ただ藤浪がこのまま波に乗っていけるかどうかは、また別の話だ。

チーム5番目の高年俸

 新天地のアスレチックスでは開幕ローテーション入りを果たしながらも4試合で0勝4敗。直近の先発登板となった4月22日の敵地デトロイト・タイガース戦でも制球が定まらず3回途中7安打8失点4四死球で大炎上し、防御率は14.40となり、先発ローテーションから外されて中継ぎへ4月24日に配置転換された。

 配置転換後も悪戦苦闘が続く。リリーフとして登板した5試合目までは4試合で失点し、シーズンの防御率も13.94と低迷していた。

 しかし、リリーフとして6試合目(先発も含めれば10試合目)の登板となった5月11日の敵地ニューヨーク・ヤンキース戦以降は2試合連続で無失点に抑え、防御率12.17にまで改善させた。

 ただ伝統的に緊縮財政を強いられているアスレチックス側から見れば、1年325万ドル(約4億4000万円)というチーム5番目の高額年俸を誇りながらビハインドの場面で投げ続けている藤浪の現状に満足しているとはとても言い切れない。