何ともパッとしない。阪神タイガースが21日、京セラドーム大阪で横浜DeNAベイスターズを相手に3―1で連勝。2カードぶりの勝ち越しを決めたが、借金は依然として「5」で素直に喜べるような現状ではない。首位の巨人とは21日現在で11.5ゲーム差の4位。3位のDeNAとは多少縮んだとはいえ、いまだ4.5ゲーム差に開いており、CS(クライマックスシリーズ)進出も厳しいままだ。

 正直に言って、今の阪神は強くない。あえて厳しい言い方をするが、優勝できるようなチームでないことは素人でも分かる。

リーグ屈指の資金力を持つのに・・・

 しかし、それにしても不思議だ。セ・リーグ6球団の中でも上位に位置づけするほど親会社は豊富な資金源を持っているはずなのに、その強みがまったく生かされていない。「カネをかけるべきところが明らかに間違っている。この球団は昔からその傾向があったが、今のフロントはそれに輪をかけてズレていると言わざるを得ない。おそらく経営陣たちはタイガースの野球をきちんと見ていない人ばかりだろう。これではファンがどんどん離れていってしまう」と阪神の有力OBは嘆く。

 チーム編成の面で物足りなさを感じるのはもちろんだが、今の阪神に対して有識者から多々指摘されがちなのが優秀かつ経験豊富な指導者、スタッフの不足だ。選手を育成し、チームの屋台骨を支えていくためにも必要不可欠な指導者を迎え入れ、強いタイガースを作り上げなければいけないのは自明の理。カリスマ的存在になれるような実績を誇る指導者を招聘し、その人物を中心としたピラミッド型のシステムと命令系統を構築すれば「間違いなくタイガースは大きく変わるはず」(前出のOB)だからだ。優秀な指導者を招聘するとなると当然ながら〝それなりの費用〟もかかるが、ある程度の出血を覚悟しなければ再生の道はない。