2017年3月15日、WBC2次ラウンドのイスラエル戦に侍ジャパンの4番として出場した筒香嘉智選手(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 熱セの灯火が急速な勢いで消えつつある。14日のプロ野球でセ・リーグ首位・巨人が敵地・マツダスタジアムで3位の広島東洋カープに7―1で大勝し、2カード連続の勝ち越しを決めた。

 一方、2位の横浜DeNAベイスターズは最下位の東京ヤクルトスワローズに2―15で大敗し、まさかの3タテを食らって4連敗。わずか8日前の6日の時点で首位の巨人は2位のDeNAに0・5ゲーム差、3位の広島にも1ゲーム差にまで詰め寄られていたが、この日でそれぞれ4ゲーム差、4・5ゲーム差にまで突き放した。

 特にリーグ4連覇を目指していた広島の自力Vを消滅させたことは大きいだろう。しかも巨人はセ・リーグの中で最も試合数の消化が少ないだけに、ゲーム差を考えれば5年ぶりのリーグVへかなり優位に立ったと見ていい。

G独走でCS出場権賭けた争いが焦点に

 もちろん、まだ自力Vの可能性が残るDeNAも諦めるわけにはいかない。ただ、この大事な時期に〝セ最弱〟のチームに同一カード3連敗を喫したのは痛恨だ。しかも後に尾を引くような負け方が続いている。ヤクルトとの今カード初戦(12日)は9回から登板した絶対守護神の山崎康晃投手が2点のリードを守り切れず、背信の1イニング3失点でサヨナラ負け。翌13日も序盤に4点のリードがありながら先発のルーキー・上茶谷大河投手が7失点KOされ、打線の奮起で中盤過ぎに同点とするも再度突き放されて結局息絶えた。そして極めつけは、この日の大敗である。本来ならば楽勝しなければならない相手に対して無様な戦いの連続でダメージが残り、前を向きにくくなってしまう感も漂う。

 さらに次のカードとなる16日からは3位・広島との3連戦が待っている。自力Vが消えたとはいえ、他力本願ながら〝奇跡〟を信じたい広島は、当然ながら前のカードの巨人3連戦で辛酸を舐めさせられた分を取り返しに来るだろう。CS(クライマックス・シリーズ)出場を考えた2位争いの観点でも厳しいしのぎ合いになるのは必至。本拠地・横浜スタジアムでの試合とはいえ、DeNAにとっては苦しい戦いとなりそうだ。