まず日本人の場合、直近10年間に明るみになったケースだけでも少なくとも10人以上がスパイとして逮捕されています。表沙汰となっていないケースも存在するとみられますので、実際にはこれ以上の人数が摘発されていることでしょう。
その他の国に関しては、さすがに「国別スパイ統計(摘発)」などというものは公表されていませんが、過去の報道を見る限りでは米国、特にCIA関係者の摘発が最も多いようです。ニューズウィークの報道によると、現在200人以上の米国人がスパイ容疑で中国に拘束されていると推計されています。
このほか近年外交問題にまで発展した摘発例として、2018年にカナダ人2人が逮捕された事件が挙げられます。この摘発の直前、カナダでは華為(ファーウェイ)の孟晩舟CFOが拘束される事件が起きており、2人のカナダ人の逮捕は中国政府によるカナダ政府への報復だとみられています。
翌2019年には、中国生まれでオーストラリア国籍の作家が中国で逮捕される事件が起きています。また同年には、中国当局のスパイとして活動していたと自称する王立強氏が、オーストラリアに亡命を申請する事件も起きました。スパイ絡みで事件が相次いだことから、中国とオーストラリアの関係はこの時期大きく冷え込みました。
日本の諜報活動を強く警戒する理由
以上のように、日本と比べ中国国内では比較的頻繁にスパイ関連の事件が発生し、かつ大きく報じられる傾向があります。