(山田 珠世:中国・上海在住コラムニスト)
今年もイチゴの季節がやってきた。
上海で売られるイチゴで一番多いのは「奶油草莓」という名前のイチゴだ。ただ、ここ数年で中国市場に出回り始めたこのイチゴが、静岡生まれの品種「章姫」(あきひめ)であることは、あまり知られていない。
奶油草莓は粒が揃っており、色も鮮やかで、筆者は何となく「日本のイチゴに似ている」と思っていた。しかし日本の品種だとは知らなかった。
ネットで検索してみると「『奶油草莓』は『章姫』の別名である」「『奶油草莓』は『章姫』を指す」などと書かれている。店頭の商品パッケージに「章姫奶油草莓」と「章姫」の文字が入っているものもあった。
しかし、産地には中国の地名が記載されているため、中国人はこの名前を見ても日本の品種だと分からないだろう。実際、果物屋の店員に聞いてみたが、「日本の品種? 違うよ」と一蹴されてしまった。