旧式の戦車でロシアはどうやって戦うのか

 だがロシア側が指をくわえて見ているはずはなく、何かしらの対抗策で臨むはずだ。例えば前述の“隠し財産”から1000台単位で旧式MBTを出動させ、大きな塹壕の中に潜ませる。そして、戦車砲だけを出し、戦車上部には土嚢(どのう:土砂袋)を大量に載せて対戦車ミサイル対策とし、さらにカムフラージュも入念にして迎え撃つかもしれない。

 T-54/T-55やT-62が西側の強力なMBTと一騎打ちとなればひとたまりもないが、身を隠してキャタピラや車体後部など弱点を狙えば、多少のダメージを与えることは可能で、装甲が薄い他の戦闘車両の撃破用としても利用価値はあるだろう。

 あるいはウクライナ軍の南部での反攻作戦への牽制として、東部戦線で大量の旧式MBTを投入。陽動作戦(敵の目を引き付ける囮作戦)を実施し、西側MBTの分散配置を強いる策に打って出るかもしれない、との指摘もある。