ところで「半世紀以上前の戦車など役立つのか」と疑問視する向きもあるだろう。だが実際のところ消耗戦に喘ぐロシア軍は多数のT-62を前線に駆り出し、すでに60台以上が撃破・鹵獲(ろかく:敵に捕獲されること)されている。
もしかしたら比較的新しい戦車の温存のため、「ウクライナ軍の弾薬を消耗させる囮(おとり)、撃たれ役」とする意図なのか。こう考えればT-54/-55を最前線に大量投入したとしても不思議ではない。
今後ウクライナ軍にはレオパルト2、M1エイブラムス、チャレンジャー2の強力な「西側MBT三羽烏」が少なくとも321両に加え、ひと世代前のレオパルト1戦車も約180両欧米から供与され、恐らくウクライナ南部とクリミア半島奪還のための作戦に集中投入されると見られている。

ギャラリーページへ