これ以外にも車種不明の戦車が約7500台あるようだ。一方、先ごろ公開の最新の『ミリバラ2023年版』では、2022年の同国のMBT数を「1800台」と推測。種類別では、

【T-62】約150台
【T-72】約1150台
【T-80】約200台
【T-90】約300台(1990年代初めから配備の最新型で125mm砲搭載)

 となっており、他に約5000台が保管中だという。つまりロシアのMBTの“在庫”は保管中も含め6800台で、30数年前に約6万2000台あった旧ソ連時代と比べほぼ10分の1の規模で、あまりにも少なすぎるとの指摘もあるようだ。

 ソ連崩壊後、連邦構成国だったロシアなど15共和国は独立するにあたり、戦車・装甲車なども“相続財産”として相応の財産分与がなされ、おそらく圧倒的に規模の大きいロシアが全体の6~7割を継承した、と見るのが普通だろう。

 仮に「7割」ならMBTは約4万3000台で、鉄くずとして「溶鉱炉送り」になったり、第三国に輸出されたり、油田火災の消火車両などに改造されたりするなど、別の途をたどった車両も多いだろう。加えて相当数は現役としていまだに活躍するものも少なくないはずで、これらをまとめて差し引いた残りを、例えば「3万台」と考えると、これらがいまだにロシア領内のどこかに温存されていることとなる。