サムスンなど4大財閥が脱退
こういう経緯を経て、サムスン、現代自動車、SK、LGの4大財閥が、全経連を脱退することになった。
4大財閥は全経連の会費の7割以上を収めていたといわれ大打撃となった。それだけではない。
全経連は、「政経癒着の温床」とされ、「朴槿恵大統領弾劾」後に発足した文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)政権では、大統領との懇談や政策フォーラムなどへの参加が全くできなくなった。
2022年5月の政権発足前に、尹錫悦氏は、企業人団体との懇談昼食会を開いた。
この幹事役を全経連が引き受けたことから「全経連復権か」との見方も出たが、その後、政権が発足してからはすべての行事に招かれなかった。
大統領が外遊する際、企業人を同行することが多い。以前なら必ず全経連会長がその中心にいたが、全経連会長として同行することすらなくなった。
政権が変わっても全経連に対する世論の厳しい視線が変わっていなかったからだ。
経団連との首脳懇談会では・・・
異例の出来事もあった。
全経連と経団連は長年、定期的に首脳懇談会というトップミーティングを開いてきた。
両団体の会長や副会長が、日本と韓国を相互に訪問する。意見交換のほか、かつてはゴルフに行くこともあった。
新型コロナの流行でしばらく中断していたが2022年7月にソウルで開催することになった。
日本から経団連会長の十倉雅和氏(住友化学会長)、副会長の安原竜夫氏(三井物産会長)、東原敏昭氏(日立製作所会長)らが訪韓することになった。
焦ったのは全経連だ。
日本から産業を代表するメンバーが来るのに、韓国側からは4大財閥は脱退しているので出ませんというのもばつが悪い。
結局、全経連のメンバーでもない4大財閥の社長クラスが特例で出席することになったが、これから経団連との首脳懇談会をどう開くのかは分からない。