「とりあえずもらおうかと思っている」
近く満65歳になる筆者の知人はソウルの地下鉄無料カードを申請するという。
ゴルフに旅行に元気で、企業の顧問も務めていくらか収入もある。それでも「もらえるものはもらう」が心情だ。
韓国で、いまは満65歳からとなっている地下鉄の無料制度についての論争が再燃している。
ソウル地下鉄料金値上げ計画
今回の議論の引き金となったのは、ソウル市による地下鉄料金引き上げ計画だ。
農畜産物や日用品などの上昇に加え、電気・ガス料金が大幅に上昇、インフレが国民生活を直撃している。
そこへ、ソウルで地下鉄(1~8号線)を運行するソウル交通公社を抱えるソウル市が、料金値上げの方針を明らかにした。
ソウル市は、「地下鉄事業は大幅な赤字が続いているが、その主因は無料乗車だ。国が財政支援してくれないなら大幅値上げは不可避」と投げかけたのだ。
これを機に、これまでも何度もあった「地下鉄無料制度の是非」を巡る論議が再燃しているのだ。
その背景にあるのが、韓国で最大のベビーブーム世代といわれる「58年戌年(いぬどし、1958年生まれ)」が今年満65歳になり、本格的な高齢社会が始まることもある。
インフレに、韓国で象徴的な世代が65歳になることが加わり、大きな論争になっているのだ。