企業の幹部を大勢引き連れてUAEを訪問した韓国の尹錫悦大統領だが、KTのトップの姿はなかった(1月15日、写真:AP/アフロ)

 韓国最大の通信会社であるKTが一度決めたCEO(最高経営責任者)人事を撤回して選考をやり直すことになった。

 尹錫悦(ユン・ソギョル=1960年生)政権の「強い意向」が背景にある。銀行に次いで経営トップ交代の嵐が吹き始めた。

 KTは日本のNTTのような企業だ。通信事業を独占する公企業だったが2002年に民営化した。

CEO求人公示

 このKTが2023年2月10日にホームページ上で公開した「求人」案内が韓国で話題になっている。

 募集するのは、「最高経営者(代表理事、理事は取締役に相当)」だ。

 売上高25兆ウォン(1円=9.5円)、時価総額9兆ウォンの巨大企業のCEOを公募するということだ。

 応募資格として挙げたのは4項目。

「経営・経済に関する分野で豊富な経歴を持つ」

「企業経営の経験がある」

「最高経営者としての資質と能力がある」

「情報通信分野の専門的な知識と経験がある」

 2023年の株主総会を経て就任し、2026年定期株主総会までの3年間が任期だ。

 ホームページには、選考方法、必要な書類などが書いてある。2023年2月20日13時締め切りとある。

 この公開募集だが、実は「CEOの選び直し」なのだ。

 KTの今の代表理事CEOである具鉉謨(ク・ヒョンモ=1962年生)氏は内部出身で2023年3月に3年の任期を迎える。