英断の尹錫悦と無為無策の岸田文雄
尹錫悦・韓国大統領が日韓両国の「喉元に突き刺さった棘」だった元徴用工問題の解決策を発表した。
米国はジョー・バイデン大統領、アントニー・ブリンケン国務長官が日韓両首脳の英断を絶賛した。
ホワイトハウスは3月7日、韓国尹錫悦大統領が4月6日、国賓として訪米すると発表した。
(Statement from President Joe Biden on Japan-ROK Announcement | The White House)
(Department Press Briefing - March 6, 2023 - United States Department of State)
ところがニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストなどは「難題を一刀両断に解いた尹錫悦」を称える一方、返す刀で「小心な岸田文雄」をなじるトーンでこの「歴史的合意」(ブリンケン氏)を報じた。
日本政府の主張やコメントにはあまり触れず、韓国が一方的に大幅譲歩して日韓関係を改善させたような報道ぶりだ。
日本にもそう見る向きもある。
しかし、2015年に岸田氏が外相として手掛けた従軍慰安婦合意が一方的に破棄されたことからくる韓国に対する根強い不信感が背景にある点を全く無視した報道は不公平ではないだろうか。
それもそのはずというべきか、大新聞だから筆者の国籍や出身国によって偏重した記事を載せるとは思いたくないが、両紙とも韓国人、韓国系米国人ソウル支局長の署名記事だ。
しかも両記者とも、岸田氏を批判する部分は日本の歴史認識については厳しい指摘をした知日派の米大学講師の発言を申し合わせたように(?)同時に引用している。
両紙だけではない。ロイター通信も米公共放送NPRもみな韓国系(韓国名)記者がソウルから発信している。
(Historical Disputes Kept Them at Odds. Can Seoul and Tokyo Make Amends? - The New York Times)
(South Korea to compensate victims of Japan’s wartime forced labor - The Washington Post)