米上院の情報委員会・公聴会で発言するエブリル・ヘインズ米情報局長官（3月8日、写真：AP/アフロ）

「年次報告」は中国共産党の「野望」を糾弾

　米上院情報委員会（マーク・ワーナー委員長、民主党、バージニア州選出）の公聴会が3月8日、主要テレビ局の実況中継で行われた。

（WATCH LIVE: Senate Intelligence hearing on worldwide threats with heads of U.S. security agencies）

　米情報機関のトップが一堂に会して行われる年に一度の「スパイの親分五人衆」による米議会、メディア、国民向けの「脅威状況報告会」だった。

　返す刀で、中国に対して「やるならやってみろ」と見えを切る狙いもあった。

　ついこの間まで駐米大使だった中国の秦剛・新外相が予想以上の「戦狼外交」ぶりを示した直後だけに（？）米情報機関のトップの「中国脅威論」には熱がこもっていた。

　証言したのは以下の5人だ。

米情報局（DNI）エブリル・ヘインズ長官

米連邦捜査局（FBI）クリストファー・レイ長官

米中央情報局（CIA）ウイリアム・バーンズ長官

米国家安全保障局（NSA）ポール・ナカソネ局長

米国防情報局（DIA）スコット・ベリエ局長

　この日の公聴会に先立ちヘインズ長官は年次報告書「Annual Threat Assessment of the U.S. Intelligence Community」を同委員会に提出した。

（unclassified_2023_ata_report.pd）

　公聴会は午前10時から午後12時まで。その後、秘密聴聞会が行われた。

（問題はこの秘密聴聞会でスパイのボスたちが何を話したかだ）

　センシティブな話になると、情報機関のボスたちは「詳細については午後の秘密聴聞会で答弁したい」と答える場面が何度もあった。

「扱うテーマは、国家安全保障上の機密事項ばかり。公聴会も報告書も公にしても差しさわりがないと情報機関が判断する範囲の内容だった」（主要メディア議会担当記者）

（守秘義務は同委員会の全メンバーと国家機密にアクセスできる民主、共和両党の院内総務、軍事委員会委員長と筆頭理事にも科せられている）