持病のてんかんを隠していた加害者

 事故は、2018年2月1日、大阪府立生野聴覚支援学校の前で発生しました。

 同校の5年生だった井出安優香さん(当時11)は下校中、小学部の先生や友達と横断歩道の前で信号待ちをしていました。そこへ、道路工事をしていたホイールローダーが突然暴走し、至近距離から突っ込んできたのです。

 この事故で安優香さんが死亡、一緒にいた児童2人と教員2人が重傷。歩道にいた安優香さんら被害者には何の落ち度もない、不可抗力の事故でした。

 自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪で起訴された加害者の男(当時36)には、「難治てんかん」という脳の持病がありました。

 この病気は、意識を失うような重篤な発作がいつ起こるかわからないため、医師や家族は再三「運転しないように」と注意していたそうです。にもかかわらず、男は虚偽の申請をして免許証を取得し、仕事で重機の運転を続けていたのです。