交通事故で死亡した聴覚障害児の逸失利益(将来得られるはずだった収入)は、どのように算出されるべきか……。 2月27日、注目の判決が大阪地裁で言い渡されました。 約3年にわたって続いたこの裁判では、亡くなった女児の両親(原告側)が、「全労働者の平均賃金を基礎として算出すべき」と主張。一方、被告側は「聴覚障害者の平均賃金(全労働者の約60%)で算出すべき」としていました。近年はAI技術等の発達で、高性能の音声認識アプリも生み出され、聴覚障害者であっても活躍の場を広げています。そうした時代の変化を裁判所がどうみるかが大きな争点でした。 大阪地裁の判断は、「全労働者の平均賃金の85%を基礎収入とする」