聴覚障害があるとコミュニケーションに問題があると裁判所はしきりに言っていますけれど、今回の弁護団には、全く聞こえない弁護士が3人います。難聴の弁護士も入っています。この弁護団の中で、コミュニケーションにまったく問題がなかったということ、私はとても強く印象に残っています。
今、さまざまなテクノロジーとか、さまざまな工夫があれば、コミュニケーションには全く支障がないんだということを実感として感じたので、これを何とか裁判所には伝えたいと思いました>
娘の無限の可能性、なぜ否定するのか
安優香さんは11歳で、危険運転の暴走車に命を奪われました。彼女の未来には、無限の可能性があったはずです。それなのに、なぜ、命を奪った側の被告に差別され、その可能性を制限されなければならないのか……。母親のさつ美さんは、その理不尽さがどうしても受け入れられないといいます。
「私は安優香が11年間、どれほど頑張ってきたかを間近で見てきました。裁判官にはぜひ、聴覚支援学校に直接行って、子どもたちがどれだけしっかり勉強を頑張っているか現状を見て、聴覚障害者について学んでいただきたいと強く思います」
原告側が控訴をするかどうかはまだ決定していませんが、まもなく方針が決まる予定です。