誰がやったの?
実験記録の改ざんは、たとえ研究不正にあたらなくても、倫理的に問題があって、そんな行為をしたら研究者失格だ、という考えもあります。そうなると、改ざんしたのは誰かが問題になるでしょう。
JAXAの発表によると、記録の改ざんを行なったのは「研究者A」と「研究者C」です。(古川宇宙飛行士は「研究者B」です。)
AとCが誰かは、科研費研究「無重力・閉鎖ストレスの統合的理解」の研究メンバーから推定することもできるかもしれませんが、 ここではそれはやめておきます。
しかしAとCの名前が明らかにされないと、また別の問題が引き起こされる恐れがあります。それは、改ざんに加担していない研究メンバーの巻き添え被害です。
彼ら彼女らは、何らやましいところがないのに、この研究に参加したため、実験記録を改ざんした研究者AやCではないかと今後疑われることになります。もしかしたらキャリアに悪影響がでる可能性もあります。
JAXAが名前を公表しないならば、改ざんに加担していない研究メンバーか、あるいは研究者Aと研究者Cが自ら、そのあたりを明らかにした方がいいのではないでしょうか。
それから、おそらく多くのかたにとって一番の関心は、古川宇宙飛行士の関与があったかどうかだと思います。
「JAXAの報告によると」を何度も繰り返しますが、JAXAの報告によると、これについてはなかったとされています。実験記録の改ざんについて古川宇宙飛行士が初めて知ったのは2020年のことで、研究中止のあとだということです。