井手 そうなんです! 現在はファンの方々だけでなく取引先を含めたステークホルダーの皆さんともそういった関係性ができ始めています。ヤッホーに関わる皆が、クラフトビールを中心とした1つのチームになっているんです。

目標は世界平和!世界で最もロイヤルティの高い会社を目指す

藤田 企業風土がそもそもの魅力ですね。チームワークが生み出したウェルビーイングの形なのだと思いますが、そういう意味では日本は諸外国よりもウェルビーイングがフィットする土壌があるのかもしれません。

井手 おもてなし文化もその1つかもしれませんね。

藤田 製品の味やこだわりだけでなく、お客さまに対するホスピタリティとか、目を凝らせばサービスの形は多様です。

井手 同感です。国内にも600社くらいクラフトビールメーカーがありますが、ほとんどが少人数の経営で個人経営の域を出ることは現実的に難しい。こだわりの味やブルワリーらしい雰囲気はありますが、あくまでプロダクト中心の目線で、そこには味以外の魅力を見つけ、事業につなげづらいという現状があります。ビールが好きという強い思いで頑張っているけど売上も利益も上がらずビジネスとして成り立ちにくい。そういったこの業界構造自体をどうにかしたいという思いもあります。

藤田 この先、ヤッホーはどこに向かっていくのでしょう?

井手 まだまだやれることは多いと思います。世界には、私たちのクラフトビールやイベント、コンテンツと接したことがない人の方が圧倒的に多いわけですから。知ってもらうことは、引き続き私たちの大きなテーマです。そしてさらに20年が経つ頃には、ロイヤルティの高いファンが世界で最も多い会社になっていたい。熱量の高いファンや人材がいる組織を目指したいですね。