「よなよなエール」の味わいや雰囲気が好きだというファンの皆さんが、喜んだり面白がったりするコンテンツを発信し続けて、いつしか私たちのクラフトビールそのものが、彼らにとってのエンターテインメントになっていったのだと思います。おかげで、私たちは単なるビール製造業者から、ビールを中心としたエンターテインメント事業者に成長できました。
ファンイベントを生み出したヤッホーの企業文化
藤田 ヤッホーのファンミーティングも有名ですよね。単なるイベントの枠を超え、衝撃的ともいえる盛り上がりを見せていますが。
井手 ヤッホーではお客さまのことを「ファン」と呼ぶんですが、ファンの方向けのイベント「よなよなエールの超宴」もエンターテインメントとしての提案なんです。忘れもしない第1回目のファンイベントは2010年。当時は40名ほどの「宴」という名前のイベントで、恵比寿のビアパブで開催しました。驚くことに、北海道や大阪、神戸から来てくれた方やご夫婦で参加された方もいましたね。スタッフが手探りで作り上げた「宴」でしたが、私たちがメルマガやブログで伝えてきた世界観を好きになってくれた方々が集まってくれて、結果的に大成功に終わったんです。あのときのことは、今でも忘れられません。人生の中で、最良の1日でした。
ファンの方々と交流することで、彼らの喜びの熱量を感じることができますし、だからこそ次ももっと楽しんでもらいたいと私たちも工夫する。イベントに参加してよかったというファンの方々の声が良いサイクルをつくっているんです。