復権はあるのか
岸田政権が低空飛行を続けている。高い支持率だけが取り柄の無策の岸田政権は、ゆっくりと沈んでいる。世論は「聞く力」に愛想をつかしており、世論調査の支持率は低いところで20%台後半というありさまだ。来年の統一地方選が終わる前に「岸田おろし」に突入する可能性もささやかれる。
菅氏はどう動くのか。いまのところ、勉強会を開くつもりもないし、「反岸田」を鮮明にするわけでもない。党内で、一議員として、「カーボンニュートラル」など思い入れのある政策実現にまい進するというのが建前だ。いや、偽らざる本音だろう。
政局は常に動く。今秋の臨時国会では、引き続き旧統一教会問題で自民党は防戦に回るのは確実だ。来年4月の統一地方選で自民党の退潮が目立てば、来年5月の広島サミットでの岸田花道論も出てくる。岸田首相の自民党総裁任期は2024年9月である。あと2年ももつのか――。永田町の関心事である。
菅氏は渾身の弔辞で負のイメージを刷新することに成功した。今後、政局の中心に座るケースが増えるだろう。再登板はなくても、誰かを担ぐ側に回るだけで政局の号砲が鳴る。完全に終わったと思われていた政治家の復権を感じさせる弔辞だった。