9月21日、ニューヨークで開かれたグローバルファンドの第7次増資会合でスピーチする韓国の尹錫悦大統領(写真:AP/アフロ)

 米ニューヨーク滞在中に韓国の共同取材団のカメラに撮影された尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の「卑俗語映像」は、現在も韓国で大きな波乱を巻き起こしている。

 9月24日土曜日に海外歴訪から帰国した尹大統領は、週明けの26日(月曜日)に記者団とのぶら下がり会見で、「報道内容が事実と違う」とし、「真相究明が必要だ」と言及した。与党「国民の力」は最初に動画を報道したMBCに訂正報道を要求する一方、「名誉毀損」や「虚偽の事実の流布」などで警察に告発する方針を決めた。

 一方、MBCは「マスコミ弾圧の中止」を求める声明文を出した。SBS、KBSなど放送局と記者協会もこれに同調している。

 もはや事態は、政権とマスコミの「全面戦争」の様相を呈してきているのだ。

「この××たち」発言に「国柄を台無しにした」と猛批判

 まず、事件の経緯を時系列に従って振り返ってみよう。

 韓国時間で22日午前10時7分頃、公営放送のMBCは公式YouTubeに<カメラに気が付かなかったか? “国会でこの××たちが承認しなければバイデンは赤恥だ”>とのタイトルで、問題の映像を公開した。グローバルファンドの増資会合の終了後に会場を出ようとする尹大統領が、隣の朴振(パク・ジン)外交部長官に何か語りかけながら歩いてくる場面だ。最後に問題の“卑俗語”が出てくるシーンにはタイトルと同じ「国会でこの××たちが承認しなければバイデンは赤恥だ」とのテロップをつけ、3回リピートして流れるように編集されていた。