8月15日、光復節式典で演説する尹錫悦大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が就任後初の光復節(独立記念日)演説で日韓関係改善の意志を改めて示した。しかし、最大野党「共に民主党」は待っていたかのように「屈辱外交」と強く非難、ネット上でも「光復節に親日メッセージを出した」と揶揄されている。

 反日イデオロギーがまだ堅固な韓国社会で支持率20%台の尹錫悦政権は果たして日本との関係改善を成し遂げることができるだろうか。

日本は「協力しなければならない隣人」

 韓国が日本から独立した8月15日と日本への大々的な抵抗運動が勃発した3月1日は、それぞれ光復節と三一節とよばれ、韓国人が最も大切に思う祝日だ。もちろん、日本に対する「敵意」が最も込みあげる日でもある。「両日はソウル市内に出歩かないほうがいい」といった日本人友人もいるほどだ。

 このため、韓国メディアはもちろん、日本メディアも3月1日や8月15日の韓国大統領の祝辞に注目し、「反日」メッセージの強度によって今後の対日外交姿勢を推測してきた。尹錫悦政権の発足後初めて迎える光復節には、日本に対してどのようなメッセージが出るのかに、メディアはもちろん、国民も関心を持って見守った。一部では「支持率下落で反日に転じるのではないか」との憶測も流れたが、尹大統領は就任前から主張してきた通り、日本に対して「協力しなければならない隣人」と規定し、関係改善を強調した。

「過去、私たちの自由を守るために政治的支配から脱しなければならない対象だった日本は、今や世界市民の自由を脅かす挑戦に立ち向かい、共に力を合わせていかなければならない隣人です。韓日関係が普遍的価値を基盤に両国の未来と時代的使命に向かって進む時、歴史問題もまともに解決されることができます。韓日関係の包括的未来像を提示した金大中-小渕共同宣言を継承し、韓日関係を早期に回復・発展させます」