国立日帝強制動員歴史館を訪問した鳩山由紀夫元首相(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

(羽田 真代:在韓ビジネスライター)

 2022年9月23日、元総理大臣の鳩山由紀夫氏がツイッターに、「慰霊祭に出席するために韓国に来て、ソウルの龍山から木浦まで300キロほど出る電車に乗っています」と呟いた。

 何だか嫌な予感がする──。そう思っていた矢先、翌日の24日に参加した「世界平和および韓日文化経済協力交流特別講演」の場で、とんでもない発言をしたことが日韓両メディアに報道された。やはり、嫌な予感は的中した。

 鳩山氏は講演で以下のように語った。

「韓日関係を解決するためには何よりも日本の態度が重要だ」
「慰安婦問題と強制徴用などの問題が解決されず、現在の日韓関係が良くない」
「日本の植民地時代から抜け出すための運動(三・一運動)で、多くの生命が犠牲になった」
「これに対して日本人として深く謝罪する」
「日韓関係改善のためには『日本の態度が重要』で、日本が『無限責任』の姿勢を持てば問題解決は可能」
「日本の十分な謝罪が行わなければ解決は難しい」

 鳩山氏が韓国に対して謝罪を行ったのは、今に始まったことではない。

 2019年3月にはソウルで開かれた講演で、「特に日本は朝鮮半島の南北分断に大きな責任を有している」と発言。慰安婦や徴用工問題についても日本が謝罪すべきだと表明した。

 同年6月には、延世大学の学生に向けて「日本は戦争で傷つけた人たちや植民地にしていた方々に対し『もう、これ以上謝らなくてもいい』と言ってくれるまで、心の中で謝罪する気持ちを持ち続けなければならない」と発言している。

 2015年に結ばれた慰安婦問題日韓合意については、「日本政府の『この問題を二度と持ち出すな』という態度が間違っている」「慰安婦被害者たちは決して物質的な賠償を望んでおらず、真の謝罪を望んでいる」などと合意内容を批判し、韓国の代弁者かのような主張を度々展開している。

 この年、彼はソウル市西大門(ソデムン)刑務所にある柳寛順(ユ・グァンスン/独立運動家)の監房の前で土下座謝罪した。日本の歴代首相で初めてのことだった。

 この時の様子は、多くの日本人が記憶していることだろう。