エリザベス女王の国葬で弔問者芳名録にサインする尹錫悦大統領(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(羽田 真代:在韓ビジネスライター)

 2022年9月19日(日本時間20日)、英女王エリザベス2世の国葬が執り行われた。ロンドン中心部にあるウェストミンスター寺院には、各国から要人など2000人以上が参列。参列者たちは70年間英国を率いた偉大な女王に別れを告げた。

 日本からは天皇皇后両陛下が参列された。

 韓国からは尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領と、その妻である金建希(キム・ゴンヒ)氏が参列した。

 日本の報道では岸田首相ではなく天皇陛下が参列されたこともあってか、「各国の要人たちと外交を」など、海外の要人との積極的な交流を促す報道はほとんどなかった。

 一方で、韓国の報道は尹大統領が英国に発つ前から「歴代級の弔問外交だ」「先取り、経済外交の展望は?」「日本からはナルヒト日王夫婦が出席する」と、要人らとの交流を期待する声が多かった。

 韓国国民は保守・左派にかかわらず、自国民が海外で名を高めることを喜ぶ。だから、支持率の低い尹大統領であっても、世界の要人らと肩を並べることを国民は歓迎している雰囲気だった。

 国葬の席順が分かった時も、「バイデンと並んで14列目…尹大統領、英女王の葬儀“弔問外交”(聯合ニュース)」と、メディアは伝えた。米国の大統領と同等扱いなら、まあ合格といったところだろう。

 余談だが、ポーランド・ドゥダ大統領は13列目、仏・マクロン夫妻は12列目、天皇皇后両陛下は6列目、そして天皇両陛下の隣にはマレーシア・アブドラ国王が着席していたと日韓両メディアの記事では報じられていた。写真を見る限り、天皇陛下の前にはヨルダン・アブドゥッラー2世も写っている。

 韓国メディアによるエリザベス2世の国葬記事を見ていて思ったが、聯合ニュースの報道内容がひどかった。どうひどいのかと言うと、主要人物と尹大統領が一緒に写っているかのような合成写真・映像を掲載しているのだ。