現地時刻で21日の午前8時時点でも日韓首脳会談、米韓首脳会談の日程が確定せず、タイムリミットに迫られた随行記者団は数回にわたって日程確認を要請したが、大統領室は米韓首脳会談に対しては「いかなる形であれ行われるものと予想される」と答えながらも、日韓首脳会談に対しては「現在としては申し上げる言葉がない。整理され次第申し上げる」と繰り返すばかりだった。
岸田・尹会談、韓国側は「略式会談」、日本側は「懇談」
ただ、韓国側の粘り強い求愛のためか、21日午後12時35分頃になって、ようやく日韓首脳の「会談」が実現した。国連総会会場近くで開かれた包括的核実験禁止条約(CTBT)関連会議に出席した岸田首相を尹大統領が訪ねる形で、約30分間の略式会談が行われたのだった。
ただし、両国の国旗もなく、議題もなく、記者たちも排除した「会合」だった。2年9カ月ぶりに日韓首脳が膝を突き合わせて向かい合ったことは意味があると言えるが、韓国側が日本側に一方的にしがみつくような姿に、韓国記者たちの反応はあまり良くなかった。
なにより韓国側がこの会談を「略式会談」としたのに対し、日本側は「懇談」と切り下げた表現を使ったことも尹錫悦大統領には痛かった。