BTSの所属事務所でもあり、K-POP界のグローバルリーダーであるHYBE(ハイブ)のガバナンス・リスクが顕在化している。
子会社のADOR(アドア)の前代表のミン・ヒジン氏と間の経営権紛争に対する法的攻防は続いているし、なによりADOR所属のガールズグループ「NewJeans」のメンバーのハニがHYBEでの職場内いじめについて国会で証言し、国民的関心が高まっている。
すでに6カ月以も上続いているガバナンスを巡るゴタゴタに、HYBEの株価はもちろん、企業イメージも大きな打撃を受けている。
芸能事務所の内紛が国会で
韓国の国会は毎年定例の国政監査を実施している。政権の国政運営全般に対する監査と監察が主な目的だが、重要な社会的イシューに対しては関係者を呼んで公開聴聞会を開き、世論を喚起させることも主要な役割の一つだ。
そして国会議員にとっては、テレビを通じて生中継される国政監査こそが自分の顔と名前を有権者に知らしめる絶好の機会になる。そのため、なるべく社会的に注目すべきイシューを先取りし、話題の人物を参考人と呼ぼうとする傾向が強い。
10月7日から4週間の日程で始まった今年の国政監査で最も注目を集めた「参考人」は、現役アイドルで世界的な人気を誇るNewJeansの外国人メンバー、ハニだった。
ハニは環境労働委員会から「職場内いじめ」問題に対する参考人として招致され、15日、国会に出席した。この日、韓国の国会はハニの「出演」によって、まるでコンサート場を彷彿とさせる大混乱が起きた。
まず、ハニが国政監査に出席するまでの流れを簡単に説明しよう。