韓国国会の第1党である「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表が公職選挙法違反の罪に問われた裁判で、予想よりも重い懲役1年執行猶予2年の有罪判決を受けた。李代表はすぐに控訴する方針を表明したが、上級審でもこの判決内容が確定すれば、李代表は国会議員職の喪失とともに、今後10年間被選挙権が剥奪される。目下、李代表は次期大統領選における有力候補の一人と目されているが、そうなれば次期はもちろん、次々期の大統領選挙への出馬も不可能になる。
さらに25日には偽証教唆事件の1審判決も予定されている。李代表の「司法リスク」がいよいよ現実化したことで韓国政界に激震が走り、ソウルの街中にはろうそくデモ隊が連日くり出すような状況だ。
2つの嘘
次期大統領候補の筆頭に挙げられている李在明・共に民主党代表は現在、11の重大容疑で4つの裁判を抱えている。このうち、最初に1審判決が下された事件は、大統領選挙直前に起きた大庄洞・柏峴洞などの都市開発プロジェクトの不正疑惑と関連し、大統領候補だった李代表が選挙期間中に繰り返して虚偽事実を流布してきたという公職選挙法違反事件だ。
李代表は具体的に以下の2つの嘘をついたとされている。
城南市長、京畿道知事を経て、当時の政権与党の民主党の大統領候補に浮上した李在明氏は、大統領選挙直前に露見した大庄洞(テジャンドン、城南市所在)都市開発プロジェクトの不正疑惑によって絶体絶命の危機に追い込まれる。李氏みずからが「一生最大の業績」として誇ってきた大庄洞プロジェクトが、実は「火天大有(ファチョンデユ)」という新興開発業者と城南市とで行った数千億ウォン規模の不正事件だったという暴露だ。
焦った李氏は「自分も騙された」と主張し、すべての責任を城南都市開発公社の柳東奎(ユ・ドンギュ)本部長をはじめ、プロジェクトの実務陣に転嫁した。その結果、城南都市開発公社のキム・ムンギ第1処長が自殺する事態に至ってしまう。キム氏の家族は、キム氏が李在明城南市長(当時)の海外出張に同行したことを契機に大庄洞プロジェクトに参加したとし、プロジェクトの最高責任者は李氏だったと主張した。
だが、李氏は「キム・ムンギ氏は知らない人」と何度も否定した。検察は、李氏のこの発言について「虚偽事実を繰り返し流布し、選挙の民意を歪曲した」と起訴した。