また検察は、大庄洞プロジェクトと酷似している柏峴洞(ペクヒョンドン、城南市所在)開発プロジェクトに対しても、李代表が虚偽事実を流布したとしている。城南市と民間の開発業者との共同事業だった柏峴洞開発プロジェクトは、グリーンベルトだった柏峴洞一帯を城南市が4段階上の準住居地(住居施設と商業施設を複合的に建設できる地域)に用途変更してくれたことで事業がスタートされた。ところで土地用途の4段階引き上げは極めて異例の措置であり、城南市長だった李在明氏がこれを許可した事実こそが事件との関連性を物語っているという主張がなされた。
すると李氏は大統領選挙期間中に、「朴槿恵政権の国土部から脅迫があったので仕方なかった」と何度も主張してきた。検察は、国土部の公文書に「用途変更は城南市が判断すること」と明記されている点や、当時の城南市の職員たちが「脅迫されたとは認識していない」と口をそろえている点などを根拠に、李氏の発言を「嘘」とみなした。
15日に下された1審判決では、キム・ムンギ氏を知らないと言った発言は「一部無罪」、柏峴洞の用途変更が国土部の脅迫のためだと言った発言は「有罪」が認められ、懲役1年執行猶予2年という厳重な処罰を受けた。
「懲役刑確定なら当選無効」の絶体絶命
そもそも法曹界では有罪判決が下されるという見方が優勢ではあったが、それでも李氏の政治的地位を考慮した場合、裁判部が当選無効刑(100万ウォン以上の罰金または懲役刑)に当たる処罰を下す可能性は低いという意見が大勢だった。
しかも、李氏の当選無効刑が出る場合は、22年の大統領選挙で李在明氏を公認候補に選出して選挙戦に臨んだ共に民主党も政府から受け取った選挙補助金の434億ウォンを返済しなければならなくなる。立法機関である国会を掌握し、検察はもちろん判事にまで「審判する」と脅している民主党のトップに対し、そのような判決を下す肝の太い判事はいまいという、きわめて政治的な解釈が加味されての予測だった。
だが、1審で誰も予想できなかった「懲役刑」が出たことで、今後の2審や3審でも当選無効刑に当たらない「罰金100万ウォン未満」の刑量は出にくくなったと言える。さらに、李代表の城南市長時代の選挙本部長出身で、柏峴洞の用途変更のために対官ロビイングを行ったキム・インソプ氏が、斡旋収賄などの罪で1審で懲役5年の実刑判決を受けた事実も、李代表には不利な状況だ。