沖縄知事選で再選を果たした玉城デニー氏(写真:アフロ)

 9月11日の沖縄県知事選は、現職の玉城デニー知事が佐喜真淳候補に6万5000票差をつけて当選した。勝因については辺野古への移転反対や旧統一教会問題、保守分裂などの指摘があるものの、より重要なことは、こうした沖縄の動きが2021年10月にフランス軍事学校戦略研究所(IRSEM)が発表した「中国の影響力行使(LES OPÉRATIONS D’INFLUENCE CHINOISES)」に書いてある通りになっている点ではないだろうか。詳細は後述する。

 筆者は、8月10日付拙稿「不発に終わったペロシ訪台、日本人が見落としている米中接近の兆し」で、日本が台湾有事を前提とした対中軍事行動を意識していることをよそに、米中が再接近していることを書いた。

 米国の議員団はその後も訪台を繰り返し、そのたびに必ず中国が怒りを表明しているが、所詮は報道官レベルのものであり、本気という印象は感じられない。むしろ、バイデン大統領が習近平主席と対面での会談を望んでいることの方が重要な注目点だろう。

 なぜならそれは、日本の親中的な動き、特に沖縄の動きに影響を与えるからである。

 米中再接近をほぼ確実とした中国は、岸田首相がコロナ陽性となった際にお見舞い文を送るなど、今では対日接近も目論んでいるように感じるのは筆者だけではあるまい。そうした中で、沖縄の歴史的な経緯や、客観情勢から見て親中派と見られている玉城知事が沖縄県知事選で再選されたのだ。

 日本人として、この結果をどう捉えるべきなのだろうか。

フランスが分析した中国の沖縄戦略の主役

 仏メディアのFrance24は、沖縄知事選の結果を「沖縄県の米国人とのハーフの知事が米基地問題の解決を誓う」と題して報じた。沖縄に駐留していた米兵の父と沖縄県民の母との間に生まれた玉城デニー氏は、米軍辺野古基地の建設について、日本政府と沖縄住民の交渉をするのに理想的な知事だと地元では思われているという説明だ。

 日本や米国のメディアとは異なる趣きである。

 フランスは、沖縄を日米による共同統治がなされている場所という印象を持っているようだ。実質的には米国領に近いという認識だと言っても過言ではないだろう。実際、沖縄には在日米兵の約半数の2万2000人、家族まで入れれば4万5000人がいる。それは沖縄県人口(147万人)の3%に達する。旧植民地における支配者側の人口割合に近い。

 また、沖縄にある基地の総面積は全国の基地の20%を占めるが、本州の施設のほとんどが自衛隊との共同利用となっているのに対して、沖縄の場合はほぼすべてが米軍専用施設となっている。

 この米軍専用施設の面積は全国の米軍基地の70%に及ぶ。米軍基地の沖縄県に与える経済効果も、もちろん大きい。しかも、2014年に翁長雄志前知事が誕生し、彼が「沖縄人の自己決定権」を求める「オール沖縄」活動の中で、オール沖縄には米軍人も入るとして以来、沖縄には単純な米軍基地全廃という発想は存在しなくなった。