実は日本に関する研究者ではない徐教授

 そんな彼は、日本に関する専門家でもなければ研究者でもない。韓国メディアの記者によれば、徐教授は独自に「研究チーム」という名前のメディア対策チームを組織し、記者を対象に報道資料を一方的に送りつけているとのことだ。

 あるマスコミのデジタル・ニュース部の記者Aは、「彼は『独島(竹島)の日』『旭日旗批判』などの記事を報道資料として送ってくる。彼の記事が送られた日は、その関連記事が数十件もあとからあとからやって来る」と述べた。

 続けてA記者は、「これまでに多くの教授たちを取材しているが、徐教授のようにメディア対策チームを作り、反日運動を報道資料にして配布した人は一人もいない」と強調した。

 また、韓国のある大学で日本史研究所を務める論客のBは、「徐教授は、学界には存在エリアがない。結局、彼がしたいことは日本を売って、自分自身の広報にだけ没頭することだ」と皮肉った。広報チームを作り、それによって自分自身を売り込んでいるのにすぎないという指摘である。

 成均館大学造園学科を卒業した徐教授は、2004年2月に高麗大学校大学院で造園学を専攻し、園芸科学修士学位を取得した。その後、高麗大学校ライフサイエンス大学院で博士課程を修了した。

 彼の修士学位論文は、盗作の是非が問われている。

 2004年に高麗大学校大学院修士論文として提出した『企業環境広報の技法研究および戦略モデル-造園分野を中心に』は114ページからなる論文だが、その中で盗作疑惑が提起されたページは74ページ(64%)に上った。

 修士学位論文の盗作疑惑にさらされた徐教授は、結局、博士の学位論文は提出さえしなかった。

 専攻は初めから日本とは関係がなく、博士論文もない徐教授だが、韓国の名門女大の一つである聖信女子大学校に、教養教育大学教養学部客員教授として入った。2007年のことだ。その後、2011年には専任教授に昇進した。

 海外の有名大学で博士号の学位を受けても採用されるのが難しいソウルの名門女子大学に専任教授として採用され、自身の研究チームまで作ったのだから栄転である。

 さらに、徐教授は2010年に文化体育観光部海外文化広報院諮問委員、2011年に国家ブランド委員会委員に選出され、政府の仕事にも関与し始めた。反日運動家という理由だけで教授になり、国家公務員の資格を得て、放送やメディアに進出するようになったのだ。