端島(軍艦島)の韓国人徴用の実態を知らせるとして、ニューヨーク・タイムズスクエアの電光掲示板に広告を出したこともある。写真はタイムズスクエア(写真:中尾由里子/アフロ)

(ミン・ジェウク:日韓関係専門家、フリー記者)

 韓国で、韓国文化の広報専門家を自称する徐坰徳(ソ・ギョンドク)聖信女子大学校教養学部教授が議論の種になっている。

 学位論文も専攻も日本専門ではなく、それどころか博士号の学位も保有していない徐教授だが、有名芸能人とともに活動し、韓国文化を世界にPRする広報の専門家として名を馳せてきた。

 もっとも、韓国文化を広報すると言っているが、その実態は日本批判であり、日本に関する問題を全世界に知らしめると息巻いている。

 ただ、徐教授日本関連の論文を一本も書いていないので、韓国の学会は徐教授のことをまともな学者とは見ていない。徐教授はYouTubeチャンネルやバラエティ番組などに出演し、反日運動を展開しているが、日本の専門家でもなんでもないのだ。

 筆者が9月10日、Googleのニュース検索で徐教授を検索したところ、約2万4500件の関連ニュースがヒットした。そのほとんどが、徐教授が芸能人と一緒に展開した反日がテーマの独立運動関連のニュースか、日本を批判する愛国コンテンツを作成したと広報する内容だった。彼がFacebookにアップした日本批判の文章を、そのまま掲載したページも多数あった。

 例えば9月5日、徐教授は日本気象庁が提供する気象予報の地図において、独島(竹島)が日本領土として表記されていることについて、抗議メールを送ったと明らかにした。

 抗議メールには、「独島(竹島)は、歴史的、地理的、国際法的に、明白な大韓民国領土である」と指摘して、「このような行為は、明白な領土挑発である」と書いたという。

 彼は9月2日にも、「全世界旭日旗退治キャンペーン」のプロモーションに言及し、メジャーリーグ(MLB)のロサンゼルス・エンゼルスのファンが大谷翔平選手の登場時に、旭日旗を振って応援を繰り広げたことについて、球団に抗議したと報告した。

 8月、エンゼルスのホーム球場でテキサス・レンジャーズとの試合中、エンゼルスのファンが大谷選手の登場時に旭日旗を振りながら応援していたことを問題視したのだ。その時の映像をキャプチャーしたネチズンによる情報提供だとのことだ。