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 がんは悪い生活習慣の積み重ねによる自分自身の産物、言わば「生活習慣病の成れの果て」である──。こう唱えるのは、からすま和田クリニック院長・京都大学名誉教授の和田洋巳医師だ。和田医師は長年の研究と臨床の知見に基づいて、食事術と投薬による独自の療法を確立。がんの予防と治療に「食生活」がいかに大切かを訴える。(JBpress)

(*)本稿は『がん劇的寛解 アルカリ化食でがんを抑える』(和田洋巳著、角川新書)の一部を抜粋・再編集したものです。

遺伝子の発現異常は結果論

 なぜヒトは「がん」にかかるのか。がんの「原因」は何か──。

 この問いに対する答えについては、漠然としていたり、部分的であったり、因果関係が逆であったり・・・といったケースが少なくありません。

 例えば、ある人は「あの時のストレスがよくなかったのかもしれない」と、みずからを振り返ります。確かに、非常に強い精神的ストレスは身体の免疫力を低下させ、さまざまな疾病を呼び込むとされています。しかし、一定程度の強いストレスは逆に免疫力を高めるとの指摘もあり、ストレスがどのレベルを超えると免疫力に悪影響を及ぼすのかを含めて、ストレス原因説は漠然としていて掴みどころがありません。