サスティナブルなオーガニックを学ぶ

 気候変動、環境破壊など様々な問題が叫ばれ、持続可能性が求められる昨今。日本においても、SDGsが広く認知され、サスティナブルなライフスタイルがますます注目を集めている。

 そこで、日々の選択を変えることで社会課題を解決に導くことができるとして、今新たに見直されているのがオーガニックだ。

 世界の有機食品売上は2008年から2018年の10年間で約2倍に伸長し、EUでは2030年までに全農地の25%をオーガニックに転換する目標を掲げて推進している。しかし、日本ではまだオーガニックの認知が低く、有機食品の消費額も欧米に比べて少ないというのが現状だ。

 そんな中、タレントのベッキーがコンテンツメディア「SYNCHRONOUS(シンクロナス)」にて、オーガニックを学ぶ連載「ベッキーと学ぶオーガニックの学校 Hello! ORGANIC」をスタートさせた。初回講座として無料動画を公開している。

毎月オンライン授業を行いオーガニックについて学んでいく連載「ベッキーと学ぶオーガニックの学校 Hello! ORGANIC」。画像クリックで詳細ページへ。

 動画ではオーガニック先進国ドイツの大学院と食品研究所にてオーガニックを研究してきたレムケなつこ氏が講師として登場。オーガニックが持つ価値について話す。

レムケ「日本で『オーガニックを選ぶ理由』を聞くと、“健康のため”“安全”“美味しいから”といった理由があがります。一方ドイツで同じ質問をするとまったく違う答えが返ってくるんです」

オーガニック普及に欠かせない社会的メリット

 日本とドイツの消費者には、オーガニックに対する認識に違いがあるのだという。

レムケ「2019年にドイツで行われたオーガニック食品購入理由に関する調査では、健康のためという回答の他に、『環境保護に貢献したい』『動物福祉のため』『地域の農家支援のため』といった“社会貢献や地球環境のため”に有機食品を購入する、という人が80%以上いるんです」

ベッキー「80%⁉︎ 意識が高い。私も“オーガニックコットンを作る畑では農薬が使われていないから農家の方の健康も守れる”という話はなんとなく情報としては知ってましたが、スーパーで買い物する時に『これも地球のため』とは考えていなかったです」

レムケなつこ氏(左)と講義を受けるベッキー(右)

レムケ「オーガニックが健康に良いというのは個人のメリットですよね。これをオーガニックの“パーソナルベネフィット(個人的利益)”と呼んでいます。一方、動物福祉、環境保護、農家さん支援など社会や環境のためのメリットはオーガニックの“ソーシャルベネフィット(社会的利益)”と呼びます」

ベッキー「ドイツの方はソーシャルベネフィットも大事に思っているということですね」

レムケ「はい。ただ、オーガニックのソーシャルベネフィットについては日本ではまだまだ浸透していません。でもですね、このソーシャルベネフィットこそが、本当のオーガニックを知る上では非常に大切なポイントです。

 たとえば、今世界ではSDGsといわれる、世界が今後も持続的に発展できるための国際目標を掲げていますよね。」

ベッキー「日本でもSDGsの番組とか増えてきているので、みなさんこの言葉はわかると思います」

オーガニックがSDGsのソリューションになる

レムケ「そうですよね。貧困や飢餓を無くそうとか、海や陸の豊かさをまもろうとか、ジェンダー平等、気候変動の対策をしようなどの17個の目標があります。実はこれらの目標の大部分が、オーガニックが広がることで解消できると言われているんです」

ベッキー「え!私たちひとつひとつのオーガニックの選択がSDGsに繋がるっていうイメージは持っていなかったです」

レムケ「たとえば飢餓を無くしたいとか、海の豊かさを守りたい、気候変動を緩和したい、と社会や環境のことを思っても、自分1人ではなかなか解決できない、と感じることはありませんか?」

ベッキー「ありますね。海って広すぎるし、私ひとりでは力になれないと思ってしまいます」

レムケ「でもですね、オーガニック製品を選ぶこと自体が、じつはその改善の一助になるんです」

動画では自身がオーガニックを取り入れるようになったきっかけやその後の変化についても語っている。

 たとえば、農薬や化学肥料を使うと、雨によってその成分が川に流れ、海洋汚染につながっていく。オーガニック農法では使える農薬や肥料に制限があるため、土壌汚染、海洋汚染、生物大量死などを防ぐことができ、それが虫や動物たちの多様性を守ることにもつながるのだという。

 動画では、さらにオーガニック食品によってアトピー性皮膚炎や生殖障害、発達障害、ガンなどの疾病・アレルギーのリスクが軽減することや、オーガニック食品が慣行農業の食品に比べ、最大2倍の抗酸化物質を摂取できること、がん細胞に対して高い増殖抑制効果があることなど、多くのメリットも明かしている。

 自身も健康のために普段からオーガニック食品を取り入れているというベッキー。個人的なメリットだけでなく、環境、動物福祉、人権などより大きな社会的貢献につながるオーガニックの価値を知り、「もっと勉強していきたい」と熱い意欲を語った。

ベッキー

1984年生まれ。神奈川県出身。子ども向け番組『おはスタ』でデビュー。以降、テレビ、雑誌、CMなどで幅広く活躍。2019年に結婚し、2020年春に第一子、2021年春に第二子を出産。2021年には「第14回ペアレンティングアワード」でママ部門を受賞。コスメブランド「NaturaLUNA...」のプロデュースやカラフルなアクリル画が印象的な「Becky art」も人気。
今年の2月にはYouTubeチャンネル「ベツキイ!!!!開設。
公式HP:https://becky36.com/

「ベッキーと学ぶオーガニックの学校 Hello! ORGANIC」