今年の年初、沖縄で新型コロナのオミクロン株の感染が拡大したのも、日米地位協定により日本の検疫を通らずに入国した米軍関係者から地域に広がった結果だという。当時、玉城デニー沖縄県知事は会見で「激しい怒りを覚える」と、米軍の管理体制を強く批判した。このような日米地位協定は特に米軍基地を多く抱える沖縄で、何かと不都合を生じさせてきたのだ。

 沖縄在住のカメラマンM氏が言う。

「アメリカさんは沖縄でやりたい放題。日本を守るはずの米軍がオミクロン爆弾を沖縄にばら撒いてどうするの。アメリカはいつも我々をいきなり殴りつけておいて『泣くな!』というんだな」

 知り合ったおじいはこう話す。

「俺が5歳の時にアメリカさんは海からやって来た。戦争に関係のない島民がいっぱい殺された事は知っているよね。それから島に居座って色んな悪さをしてくれたさ。許せないのは米兵による暴行事件。泣き寝入りも随分多かったと聞いたよ」

轟音を聞いて育ったカボチャ

 米軍嘉手納基地に向かった。嘉手納基地は3700メートルの滑走路が2本ある巨大軍事基地だ。

離陸するF-15(撮影:橋本昇)
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 県道前に4階建ての“道の駅かでな”があった。ここの屋上からは基地を一望に見渡す事ができ、観光客の人気スポットになっている。望遠レンズで覗くと、揺れる陽炎の先に戦闘機が見えた。整備員たちがだるそうに作業をしている。しかし、ここはアメリカ空軍の戦略的拠点としての第一級基地だ。いざ何かあれば弾かれた様に反応して、特殊偵察機RC-135やE-8Cが慌ただしく離陸して行く。

F-22ステルス戦闘機を警備する米軍兵士(撮影:橋本昇)
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